はい、今日は130万の壁の話。
目次
130万の壁とは?
年収が130万円を超えると社会保険料を納める必要があるので130万未満だった時より手取りが減ってしまう逆転現象が起きます。「だったら130万未満のままでいよう」と思う人が多いので「130万の壁」と呼ばれてるってわけ。はい、そこで次のニュース。
現在、時給1000円で週20時間働くと年収は104万円。社会保険料もないため手取り額も同じ104万円だ(税金は計算の対象外とした場合)。新制度の適用を受け1030円の時給で週25時間働く場合、年収は約30万円増の133.9万円。社会保険料の19.4万円を引いた114.5万円が手取り額となり、104万円を上回る。
1年間は52週として計算してるので1,000×20×52で104万円ですね。新制度は国から企業に補助金を出して時給を上げさせてこの逆転現象が起こらないようにしますよ、って話。
社会保険料19.4万の検算
平成27年9月分(10月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表(PDF)-東京都
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/h27/h270901/13tokyo-h2709-2.pdf
年間133.9万円なので12か月で割ると111,583円です。111,583円は等級7ですね。社会保険料は会社と折半して納めるので「折半額」という列が個人負担額です。
- 40歳未満:5483.5円+9805.4円=15,288.9円
- 40歳以上:6352.5円+9805.4円=16,157.9円
これを毎月納めます。40歳以上の社保12か月分は16157.9円×12か月=193,894.8円で大体19.4万円になりました。表にしてみます。
時給1000→1030、週20→25の計算
手取りはちゃんと増えてるので確かに逆転現象は起きてないですね。じゃあ時給を上げなかった場合を表にしてみます。
時給1000据置、週20→25の計算
あれ、時給据置でも逆転現象なんて起きてないよ?そもそも逆転現象が起きるケースって?表にしてみます。
時給1000で逆転現象が起きるケース1
逆転しました。表にして気づいたけど130万を超えると逆転現象が起きるという話なんだからモデルケースには104万ではなく129万あたりを用意した方が良いような?という事で次の表。
時給1000で逆転現象が起きるケース2
すごいですね。週1時間(年52時間)増やしただけで増えるはずの年収が12万もマイナスに。マイナスと言っても目先の話だけで年金が増えたり恩恵はあります。なので完全なマイナスでは無いのですが年間12万はインパクトがすごい。これなら130万未満に抑えようって思う人が多いのも納得。じゃあこの逆転現象の人たちに対して新制度を適用、時給3%アップしたらどうなるか?の表を作りました。
逆転現象が起きる人に新制度を適用したケース
新制度でも救われないんですが…これは…。
元のモデルケースでも時給にすると404円
上記の計算はこっちの勘違いで実際はちゃんと救済されるのかもしれませんが仮に間違いだとしてもそれとは別に時給の問題があります。最初の引用をもう一度見てみます。
114.5万円が手取り額となり、104万円を上回る
10.5万円増えますと言っています。けどこれって労働時間が増えてるんで当たり前なんですよね。週20時間から25時間に増やした場合、年間で260時間*1も増えます。10.5万円を260時間で割ると時給404円です。繰り返しになりますが単に減ってるだけじゃなく年金などの原資になるお金で引かれた金額をそのままマイナスと捉えるのは間違いです。とは言え、この新制度で「130万超になってもいいや」と思って実践する人はほとんどいないような気がします。働きたいけど抑えてたって人には多少の追い風だとは思うけども。
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結論
- 毎年130未満に抑えてるけどもう少し働いてみようかな?ぐらいの人は絶対にやめておこう
おまけ
各モデルケースの時給付きバージョンも載せておきます。
*1:5時間×52週